とある老人ホームに住む姉妹のところに、最近お参りに伺うようになりました。
大阪の方からこちらに移って来はったそうです。
いままでの宗派とは違う宗派なのですが、前のお寺さんが、来れないらしく、近くのお寺=自坊にお参りのお願いが来たわけです。
最近と言っても、何年も前の話なのですが・・・
そんなわけで、今回はその姉妹のお姉さんの話。
そのお姉さん(と言っても、御婆さんですよ)は昔から、健康へのご利益の為に般若心経の写経を20年続けて来たそうです。
こちらに来て、住職にお念仏を勧められて、何となしにお念仏してくださっているそうなのですが、
一昨日お参りに行った時に、
「和尚さん、私なんかよう分からんのですが、般若心経の最後「ギャーテイ~」という部分と「南無阿弥陀仏」というお念仏が、なんとのう一緒のような気がするのですが、合ってますか?」と聞かれたのです。
ビックリしたのですが、問いかけられて考えてみると、
般若心経の「ギャーテイ~」という部分は、確か、「行こう、行こう、彼の岸へ行こう~」という訳だったと思うので、なるほど一緒の事を言うているのだ!と愚僧なりには思ったわけであります。
「お姉さん、解釈はそれぞれあると思いますが、私は、それはあっていると思いますよ。しかし何故そう思ったのですか?」と思わずたずねたところ、
「いや、ふとそう思ったのです。今は般若心経もお唱えするの大変なので、最後のギャーテイの部分を南無阿弥陀仏と言うようにしているのです。そしたら短くて済むでしょ(笑)」っておっしゃるのです。
なんでもそうですが、ずっと続けてきた方というのは凄いです。
真理とは、理論なんかじゃなくて、実践の中から勝手に見つかるものなんですよね。
今の時代はついつい、理論だけで考えてしまいがちですが、ずっと求めて、努力してきたものだけが、その道の真理を本当の意味で得る事ができるのではないのだろうかと感じた今日この頃でありました。
人間とは不思議なものであります(-人-)